2026年4月4日(土)

 韓国「KBSテレビ」がスクープ連発 北朝鮮の寧辺核施設と衛星発射場で新たな動きが

金正恩総書記が2022年3月に視察した東倉里衛星発射場(労働新聞から)

 国際社会がウクライナ戦争やイラン情勢に目を奪われている間にも、北朝鮮は核・ミサイル開発を止めることなく、着々と進めている。

 金正恩(キム・ジョンウン)総書記は、ウクライナ戦争のさなかである2023年3月に核兵器研究所を訪れ、「核兵器級核物質の生産を先を見通して拡大し、引き続き威力ある核兵器の生産に拍車をかけていかなければならない」と述べ、「核兵器保有量を幾何級数的に増やすべきだ」と訓示した。

 また、イラン情勢が緊迫する直前に開かれた労働党第9回大会の演説では、核兵器の増産に加え、核運用手段および運用領域の拡張に全力を挙げること、さらに地上および水中発射型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)の高度化、有事の際に敵国の衛星を攻撃するための特殊資産や高度な偵察衛星の開発に注力する方針を強調していた。

 昨日、韓国のKBSテレビ「ニュース9」は、北朝鮮の核・ミサイル開発の動きを相次いで報じていた。

 独自情報として最初に取り上げられたのは核関連で、「寧辺で生産施設拡張を確認・・・新たなプルトニウム生産用原子炉を建設か?」との見出しで、北朝鮮が寧辺の核施設を稼働させて核物質を生産するだけでなく、施設全体の近代化を進めている様子が確認されたと報じた。また、「50メガワット級の原子炉を新たに建設する可能性がある」とも伝えている。

 北朝鮮は平安北道の寧辺核団地で5メガワット級原子炉を稼働させ、すでにプルトニウムを抽出し、核爆弾を製造しているが、最近も原子炉の排出口から冷却水が流れ出ており、原子炉は稼働中とみられる。5メガワット原子炉では、核爆弾1発分に相当する約5〜8期ログラムのプルトニウムが生産される。

 冷却水の排出は、国際原子力機関(IAEA)が2021年の報告書で「寧辺で7月以降、冷却水排出など原子炉稼働の兆候が見られる」と指摘して以来である。

 50メガワット級の原子炉については、北朝鮮が1995年の完成を目標に建設を進めていたが、1994年のジュネーブ合意により凍結された。しかし、この合意はブッシュ政権下の2003年に破綻しており、その後の動向が注目されてきた。KBSは「最近、敷地に重機が投入され、整備が進められている」と報じ、「50メガワット級原子炉を再建する可能性が高い」とする専門家の分析を紹介している。

 この専門家によれば、「50メガワット原子炉が建設されれば、プルトニウム生産量は飛躍的に増加し、抽出量は最大で約10倍に達する可能性がある」という。また、「当初もロシアが技術や設備を提供していたが、ジュネーブ合意で中断された経緯があり、再びロシアが支援に乗り出す可能性もある」と分析している。

 KBSはさらに、「北・西海衛星発射場でも大規模撤去・・・北朝鮮の意図は?」との独自報道を続け、「ミサイル開発の中、衛星発射場でも拡張の動きが見られる」と伝えた。

 国際社会で「東倉里発射場」と呼ばれる西海衛星発射場は、大型ロケット組立棟、エンジン試験台、発射台を備えた長距離ミサイル開発の中核基地である。KBSによると、ここでも大きな変化が確認されており、最近の衛星画像では、今年2月まで発射台付近に密集していた建物が撤去され、燃料注入などの試験施設拡張に向けた整地作業の跡が確認されている。また、発射場近くの村もこの1か月で跡形もなく消え、空き地には建設部隊の仮設宿舎とみられる建物のみが残されているという。

 整地された土地には、今後、移動式発射台の進入路や最新型の組立・燃料注入施設が建設される可能性が高いとみられている。

 平安北道鉄山郡にある東倉里発射場は、2022年に金総書記が視察して以降、継続的に拡張・改善が進められている。但し、2024年5月27日に軍事偵察衛星を発射して以来、発射はない。その一方で、エンジンの噴射試験は頻繁に行われており、先月29日にも金総書記の立ち会いの下、炭素繊維複合材料を用いた最大推力2500knの高出力固体エンジンの噴射試験が実施されたばかりだ。

 東倉里発射場は2012年以降、人工衛星(西側ではテポドンと呼称)の発射場として、また2023年以降は軍事偵察衛星の発射場として使用されている。