2026年4月7日(火)
哀れ極まりない李在明政権 「金正恩の妹」に翻弄される
金正恩総書記の妹、金与正部長(朝鮮中央テレビ)
韓国は北朝鮮に振り回されっぱなしだ。それも「実権がない」と烙印を押したばかりの金与正(キム・ヨジョン)党総務部長にしてやられているのだから滑稽である。
韓国の北朝鮮情報収集機関である国家情報院(国情院)は6日、国会情報委員会で金与正部長について、「今回の党大会の人事を通じて『金与正には実質的な権力がない』ことが確認できた」と与野党の情報委員会幹事らに伝えたようだ。副部長から総務部長に昇進し、政治局員候補に復帰したうえ、その中でも最上位にランクされているにもかかわらず「実権がない」というのは理解に苦しむ。
金与正部長に実権がないとすれば、金正恩(キム・ジョンウン)総書記以外に一体誰に実権があるというのだろうか。2018年2月の平昌冬季五輪で訪韓した北朝鮮代表団の団長は、序列No.2の金永南(キム・ヨンナム)最高人民会議常任委員長兼政治局常務委員だった。しかし、その金委員長が、訪韓団の一員に過ぎなかった当時の金与正副部長に上席を譲るなど配慮していたことは周知の事実である。
国情院から「実権がない」と見下された金与正部長が同日、李在明(イ・ジェミョン)大統領の発言を批評したことは、韓国にとって何とも具合が悪い。
李大統領は6日、北朝鮮に民間人が無人機を飛ばした件について、「我が政府が意図したことではないが、一部の無責任で無謀な行動により不必要な軍事的緊張が誘発されたことについて、北側に遺憾の意を表する」と述べ、再発防止にも言及した。
これに対し金与正部長は、「我が国家元首(金正恩総書記)は(李大統領の遺憾表明について)率直で度量の大きい姿勢を示したものだ」と肯定的に評価した。そのうえで、「韓国側は平和と安定が何より重要であるという言葉だけでなく、自国の安全のためにも、朝鮮民主主義人民共和国に対する一切の無謀な挑発行為を中止し、いかなる接触の試みも断念すべきだ」と釘を刺していた。
さらに「我が国家の神聖不可侵の主権を侵害する挑発が再発する場合、すでに警告した通り、対処しがたい代償を払うことになることを改めて銘記すべきだ」と警告も発した。
無人機侵入については北朝鮮所管の統一部の鄭東泳(チョン・ドンヨン)長官がすでに謝罪を表明しており、北朝鮮も「我が国家の領空を侵犯した韓国側のドローン挑発行為について公式に認め、遺憾と再発防止の意思を示したことを高く評価する」と了承していた。それにもかかわらず、李大統領があえて自ら遺憾の意を表明したのは南北対話復活を意図したものだった。ところが、金部長から「いかなる接触の試みも断念すべきだ」とあっさり釘を刺されため立つ瀬がない状況となっている。
それにもかかわらず統一部はなお期待を抱いているのか、北朝鮮が迅速に反応し、金総書記が直接評価したことなどを踏まえ、金部長の談話を「意味のある進展」と手前勝手に自評していた。どうやら統一部は、李大統領と金総書記が間接的ながら意思疎通を行った点に重きを置いているようだ。特に、李政権発足以来、北朝鮮が李大統領を「韓国大統領」と正式に呼称し、初めて肯定的な反応を示したことを評価しているようだ。
しかし、この程度で北朝鮮が韓国に対して前向きになっていると判断するのは浅はかと言わざるを得ない。北朝鮮は日本に対しても、岸田政権時に岸田文雄首相を「日本国内閣総理大臣岸田文雄閣下」と呼んだことがあるが、日朝関係は進展するどころか、対話すら実現しなかった。
何はともあれ、李政権は「実権がない」と過小評価した金与正部長から「接触するな」と突き放された形となり、滑稽さは際立っている。
金部長は労働党内の序列では20位前後とされるが、実力と発言力は政治局員を上回り、金総書記を除けば政治局常務委員にも匹敵、あるいはそれ以上とみられる。それは金正恩総書記とはツーカーの関係にあるということだ。
金部長はまだ副部長だった1月13日、「いくらむなしい夢を見ても朝韓関係の現実は変わらない」と題する談話で、「韓国統一部が私の談話に関連して『疎通』や『緊張緩和』の余地があると評しているが、情けない限りだ」と批判したうえで、「結論から言えば予測はすでに外れている。ソウルが工夫を凝らす『朝韓関係改善』という希望は、すべて実現不可能な妄想に過ぎない」と一刀両断に断じていた。
韓国はこれ以上、翻弄されないためにも北朝鮮に復縁する気がなければ、未練を持たず、きっぱり絶縁した方が良いのではないだろうか。