2026年8月23日(日)

 米国の民主・共和党議員が米韓合同演習縮小反対で「大合唱」! 韓国の保守野党は「核武装」を主張!

2019年6月に板門店で再会したトランプ大統領と金正恩総書記(朝鮮中央テレビ)

 トランプ大統領は金正恩(キム・ジョンウン)総書記との年内首脳会談を実現するため北朝鮮が猛烈に反対していた米韓合同軍事演習「乙支(ウルチ)フリーダム・シールド」を縮小、中断させたが、この融和措置に米政界では野党の民主党だけでなく、与党の共和党の議員からも反対、批判の声が上がっている。

 民主党上院議員らの活動に関する情報を発信するXアカウントには「トランプは(米韓)軍事演習を中止し、米韓同盟を弱体化させた」と批判する書き込みが数多くある。

 例えば、ニューヨーク州選出の上院民主党トップのチャック・シューマー院内総務は「トランプが自ら『親しい友人』だと主張している金正でさえ、もはや彼を尊敬していない」と述べ、「これはトランプが国際舞台で米国に恥をかかせた最新の事例だ」と皮肉っていた。

 また、イスラエルのネタニヤフ政権に批判的なメリーランド州選出のクリス・ヴァン・ホーレン上院議員は「トランプは金正恩に屈服し、何の見返りも得られない形でまたしても独裁者に媚びている」と述べ、「世界中で米国への信頼を低下させ、私たち全員をより危険な状況にしている」と辛らつに批判した。

 さらに、台湾支持の女性議員であるイリノイ州選出のタミー・ダックワース上院議員も同僚議員と足並みを揃え「トランプはいつになったら独裁者を擁護し、同盟国を疎外することをやめるのか」と問い、「核武装した金正恩をなだめるために米韓軍事演習を縮小したことは、重大な失策だ」と叱責した。

 進歩派議員連盟「コングレッショナル・プログレッシブ・コーカス」の会長で急進左派と目されているワシントン州選出のプラミラ・ジャヤパル下院議員は「米国の権威主義的な統治者志望者は自分があれほど崇拝している北朝鮮の権威主義的な統治のために韓国の民主主義を見捨てることを決めたというのか」と、トランプ大統領を容赦なく扱き下ろした。

 共和党議員の中からも今年11月の中間選挙への不出馬を表明したノースカロライナ州選出のトム・ティリス上院議員はトランプ大統領に書簡を送り「米韓合同軍事演習の縮小は、北朝鮮や敵対国に誤ったシグナルを送る可能性がある」と、軍事演習を再開するよう求めていた。

 中でも下院軍事委員会の委員であるジョージア州選出のリッチ・マコーミック下院議員は22日、地元の時事テレビ番組に出演し「この措置が一時的なものであることを願っている」と述べ、「基本的に共産主義を目指している他の国々との関係が、米韓関係よりも近いものになってはならない」と、韓国を犠牲にした形の北朝鮮へのアプローチを批判していた。

 議員ではないが、この他にもカーティス·スキャパロッティ元駐韓米軍司令官(2013年〜2016年)が「ニューヨーク・タイムズ」への寄稿で演習縮小に異論を唱え、トランプ第1次政権時の大統領補佐官(国家安全保障担当)だったジョン・ボルトン氏も「ウォール・ストリート・ジャーナル」に寄稿し、「米韓合同軍事演習を縮小することで大統領はリスクを高め、同盟国を懸念させている」とトランプ大統領の決定を批判した。ボルトン氏は投稿文の最後に「世界で唯一の世襲制共産主義独裁者とのブロマンス(男同士の親密な関係)を再開するため平壌へ飛んでいく』とのニュースが伝えられる可能性がある」と皮肉を込めていた。

 一方、韓国国内では保守系最大野党「国民の力」と同じく保守系野党「改革新党」で「核武装論」が再燃している。

 真っ先に口火を切ったのは大統領選挙に立候補した大物、安哲秀(アン・チョルス)議員で、早くも16日にはフェイスブックで「今、我々に必要なのは北朝鮮の核を圧倒する核ドクトリン、核武装プロジェクトだ」とし、核共有、ウラン濃縮及び使用済み核燃料の再処理権限、さらに原子力推進潜水艦の確保を呼びかけていた。

 非主流派のリーダーでもある劉承?(ユ・スンミン)元議員も同じ日にフェイスブックで「この絶体絶命の核危機に対応するための我々の国家安全保障上の目標は我々自身が核能力を持つことしかない」と述べた。劉元議員は「独自の核能力の確保を目標に米国を説得するとともに、必要であれば、共通の核安全保障上の空白に直面している日本・台湾と連携戦線を構築することも考慮し、戦略を立てるべきだ」とも強調した。

 さらに2008年から5期連続当選している重鎮、尹相現(ユン・サンヒョン)議員も19日のフェイスブックへの投稿で「私はこれまで北朝鮮の核廃棄を前提とした限定的な核武装の必要性を主張してきた」としたうえで「今こそ、大韓民国の自衛的な核武装について国家レベルの議論を始めるべきだ」と主張した。

 極めつけは国会外交統一委員長を務めた次期大統領候補の一人でもある羅景垣(ナ・ギョンウォン)元院内総務で21日、フェイスブックへの投稿で「大韓民国の生存を守るための最も現実的かつ強力な代案は、独自の核武装だ」と強調していた。

 なお、保守系野党の「改革新党」は最近、米国の戦術核再配備などについて独自の世論調査を実施して8月11日にその結果を公表したが、「戦術核の再配備に賛成」の回答者が75.1%(「反対」17.2%)に達していた。

(参考資料:「トランプの真夏の夢」慶州がダメならば深?で「金正恩に会いたい」!)