2026年2月18日(水)

 李在明政権下で北朝鮮に飛ばした無人機は北朝鮮が問題にした2回ではなく、4回!

平壌近郊に落下した韓国の無人機と金与正党副部長(朝鮮中央通信から筆者キャプチャー)

 韓国の鄭東泳(チョン・ドンヨン)統一部長官は本日(18日)、政府ソウル庁舎で記者会見を開き、北朝鮮の軍総参謀部や、金正恩(キム・ジョンウン)総書記の代理人とされる妹の金与正(キム・ヨジョン)党副部長が真相究明と謝罪を求めていた民間人による対北無人機侵入事件について、「政府は非常に重大に認識している」と述べ、改めて「北朝鮮側に対して公式に遺憾の意を表する」と明らかにした。

 鄭長官は今月10日、明洞聖堂で行われたミサの祝辞を通じて、無人機事件について政府高官として初めて北朝鮮に遺憾の意を表明していた。

 これに対し、金与正副部長は13日に談話を発表し、「鄭東泳長官が公式に遺憾を表明したことを幸いに思う」として、受け入れる姿勢を示した。

 朝鮮労働党大会を前に無人機問題について再び遺憾を表明したことに関し、記者会見で記者から「金副部長の談話や、今月下旬に開催が予想される北朝鮮第9回労働党大会を意識したものではないか」との質問が出た。これに対し鄭長官は南北基本合意書に言及し、「南北間の信頼回復のための基本合意は35年間、歴代政権が守ってきたが、例外的に尹錫悦(ユン・ソクヨル)前政権が2年半の間にこれを完全に断絶状態にした」と述べたうえで、「それがゆえに南北基本合意書の精神を継承・拡大・発展させる状態へと回復することが急務である」と強調し、「そのような観点から今回の立場表明を理解してほしい」と説明した。

 鄭長官は無人機事件の全容に関する軍・警合同タスクフォース(TF)の調査結果も公表した。それによると、無人機は北朝鮮が主張していた昨年9月27日と今年1月4日の2回だけでなく、昨年11月16日と22日の2回飛行していたことが判明した。すなわち、無人機は尹錫悦政権下だけでなく、李在明政権発足後も無人機は実際に北朝鮮に侵入していた。

 昨年9月と今年1月に飛行した無人機は北側地域に墜落したため北朝鮮が問題視したが、昨年11月に送られた2機は北朝鮮の開城上空を経て、京畿道・坡州市積城面に戻っていた。

 人民軍総参謀部も総参謀の声明を出しているが、昨年9月と今年1月の無人機侵入のみを批判していた金副部長は、11月の2度の無人機飛行を捕捉できなかったことになる。結果として体面を損なう可能性もあったが、それを承知のうえで侵入回数を正確に発表したのは、誠意をもって調査を行ったことを示す意図があったものとみられる。

 無人機はすべて3人の民間人による行為で、このうち2人は尹錫悦前政権下の大統領室で職員として勤務した経歴があり、情報司令部所属の現役軍人や国家情報院職員から無人機開発費用を含む資金提供を受けていたことが判明している。3人を含む関係者には、航空安全法違反および刑法上の一般利敵罪が適用され、起訴される方針だ。

 金副部長が再発防止を要求していたことを踏まえ、鄭長官は再発防止のための法・制度整備に着手する方針も明らかにした。

 具体的には、航空安全法に基づき、飛行制限空域での未承認無人機飛行に対する処罰を、現行の500万ウォン(約53万円)以下の罰金から1年以下の懲役または1000万ウォン(約106万円)以下の罰金へと強化する改正を検討している。

 さらに、南北関係発展法に無人機侵入など軍事的緊張を高める行為を禁止する条項を新設する案も推進する方針で、接境地域の地方自治体が参加する「接境地域平和安全連席会議」を設置し、無人機やビラ散布などの行為に対する予防・対応活動を強化する構えだ。