2026年2月23日(月)

 労働党第9回大会で金正恩総書記が再選 娘に関する言及はなし!

 北朝鮮の労働党大会が5年ぶりに2月19日から首都、平壌で開催されているが、金正恩(キム・ジョンウン)総書記が再選された。

 今朝の北朝鮮の国営通信「朝鮮中央通信」によると、第9回党大会4日目の会議で採択された決定書の中に「金正恩同志を朝鮮労働党の最高職に再び選挙することに対する丁重な提議を全幅的に支持賛同した」ことが盛り込まれている。

 決定書の中には総書記以外の党の最高幹部である政治局常務委員(4人)、政治局員(14人)、政治局員候補(11人)の人選は含まれていないことから大会最終日に党中央指導機関の選挙が行われ、発表されるものとみられる。なお、「ジュエ」と称されている娘に関する言及もなかった。

 同通信によると、決定書は金総書記が「いかなる侵略の脅威にも主体的に対処でき、いかなる形態の戦争にも万全に準備された革命的武力を建設した」として「歴史の厳しい挑戦の中でも、核武力を中枢とする国家の戦争抑止力が飛躍的に向上した」と自賛した。

 労働党規約によると、党総書記は「党を代表し全党を組織・指導する」と規定されている。

 父親、金正日(キム・ジョンイル)前総書記死去後に権力を継承した金正恩総書記の政権初期の肩書は第一書記だったが、2016年の第7回党大会では労働党委員長に変更され、2021年の前回大会(第8回党大会)から総書記を継承している。

 総書記選挙に関する提議を行った政治局員でもある李日煥(リ・イルファン)党書記は「もはや国防が先か、経済が先かという問題自体を論じる必要のない時代が到来した」とし、「抹殺や隷属という敵対勢力の誤った試みそのものに完全に終止符を打った」と強調していた。

 続いて「いかなる脅威や制裁ももはや我々には絶対に通用せず、むやみに手を出してはならない危険な相手に変わったことを(米韓など)敵対勢力も知り、世界が認めている」と述べ、北朝鮮に対する世界の視線が変わったとし、これを「自尊・自強の絶頂」であり「第8期党中央委員会事業の偉大な総括」だ胸を張ってみせていた。

 党大会4日目の会議では、21日まで行われた金委員長の「事業総括報告」及び崔善姫(チェ・ソンヒ)外相、張慶国(チャン・ギョングック)新浦市委員会責任書記の討論に続き、元国防相の金正官(キム・ジョンガン)内閣副総理、北朝鮮の対露派兵関連のロシアとの経済協力を担当している尹正浩(ユン・ジョンホ)対外経済相、北朝鮮のミサイル開発の責任者、金正植(キム・ジョンシク)党軍需工業部第1副部長が順次討論を行っている。

 初日に行った金総書記の事業総括報告の具体的内容は依然として公開されていない。「当該議題に関する決定書を部門別の研究および協議会で検討・修正補充した後、政治局が審議し党大会で採択することにした」(朝鮮中央通信)との報道から事業総括報告をめぐる内部議論が続いているものとみられる。

 なお、党機関紙「労働新聞」は4日目の会議の様子を伝え、今回の党大会の第2議題である「朝鮮労働党規約改正」に基づき、党規約に新たに盛り込まれた内容を記した決定書を公開しているが、韓国が憂慮している「南北二国家」に関する新たな内容は今回の改正案には反映されていないものとみられている。

 北朝鮮は2023年12月に開かれた労働党中央委員会全員会議で韓国との統一を放棄し、南北関係を「同族関係、同質関係ではなく敵対的な二国家関係」と初めて規定した。翌年(2024年)1月の最高人民会議で統一関連機関の廃止と憲法整備を指示し、当該路線の制度化に着手していた。そのため今回の党大会でこの路線を党規約に明文化する可能性も指摘されていた。

 韓国では党の最高規範である規約に「二国家関係」を明文化しなかった場合、今後の李在明(イ・ジェミョン)政権の対応に応じて「二国家」路線を調整する余地を残す戦略ではないかとの見方が有力だ。

 なお、「労働新聞」が公開した決定書によると、今大会では「新時代の5大党建設路線」を「恒久的な党建設路線」として確定した内容が党規約に新たに反映されている。

 「新時代の5大党建設路線」とは△政治建設 △組織建設 △思想建設 △規律建設 △作風建設を指し、いずれも2022年10月に金総書記が党中央幹部学校を訪問して行った演説で初めて提示されたものである。