2026年2月24日(火)

 13歳の娘がミサイル総局長? アンビリバボー! 冗談すぎる!

2024年1月に軍需工業を視察した金正恩総書記と娘(朝鮮中央通信)

 昨晩、韓国の「毎日経済」系のテレビ媒体「MBN」を見ていて、飛び上がるほど驚いた。韓国の情報機関「国家情報院」(国情院)が先週(12日)国会情報委員会の与野党幹事に金正恩(キム・ジョンウン)総書記の後継者の可能性について言及した際に「娘がミサイル分野を担当する『総局長』の役割を担っているという情報を入手したことを伝えていたからだ。

 「国情院」は確か、与野党の幹事らに対して「娘が一部の施策について意見を述べている状況が確認されたことがある」と報告していたが、意見を述べていたのはどうやらミサイル関連らしい。

 また、娘の名前も巷間言われている「ジュエ」(主愛)ではなく、「ジュヘ」(主恵)との情報を明らかにしたようだ。但し、名前については「国情院」は「確認できる内容はない」と、慎重な姿勢を示しているようだ。

 筆者は2月12日のこの欄で娘について「国情院」が「後継者に内定した段階にあると判断している」と国会情報院委員会に報告したことについて「いつものように内容のない、面白くもない、一言で片づけると新味がない」と酷評していた。

(参考資料:韓国情報院の北朝鮮情報は内容がなく新味もない)

 なぜかというと、「内定した段階にある」との判断理由として▲2月8日の人民軍創建記念日行事への出席▲平壌の錦繍山太陽宮殿の参拝▲一部の施策について意見を述べていることなどを上げられていたが、これらは北朝鮮が映像や写真で公開していることで「国情院」しか知らない極秘情報でも何でもないからである。

 「国情院」の北朝鮮関連情報は「莫大な予算を使っている割には正直、大したことない」と常に冷ややかにみていただけに今回、二つの新たな情報が事実ならば、「情報院」 の情報収集能力を見直さなければならない。

 ミサイル総局長は元国防科学院長の張昌河(チャン・チャンハ)大将である。娘がミサイル総局長の役割を担っているとするならば、それも報告を受け、指示を出す立場ならば娘は張総局長よりも上の立場、即ち上司にあたる。まだ13歳の、中学1〜2年生の女の子が大陸間弾道ミサイルや潜水艦弾道ミサイルに精通しているはずもなく、どう考えても指示を出すのは一般常識では考えられない。おままごとでもあるまいし、お飾り、あるいは名誉職として「ミサイル総局長」の肩書を授けることもあまりにも不自然である。

 名前の「ジュヘ」も今一つ、腑に落ちない。

 「ジュエ」は米NBAのデニス・ロッドマン氏が北朝鮮に招かれた際に金総書記から聞かされたことが発端で、筆者も当初は漢字表記にして「主愛」と呼称していたが、昨年あたりから「主愛」でないかもしれないとの疑問を持ち始めた。

 その根拠は、初代から3代までは決まって先代の一文字が名前に入っているからだ。例えば、二代目の金正日(キム・ジョンイル)前総書記の場合は、初代の金日成(キム・イルソン)主席から「日」を、3代目の金正恩氏は父から「正」を継承している。慣例に従えば、4代目の娘も「正恩」のどちらか一字を受け継ぐのではないかとみているからだ。

 それだけに、今回「主愛」でなく「主恵」と知らされても、合点がいかない。何よりも「革命(白頭山)の血統」でもない母親の「李雪主」の「主」という一字を使用することにも首をかしげたくなる。

 ちなみに今回の党大会で政治局候補委員に返り咲き、党副部長から党第一副部長を飛び越えて、一気に党部長に昇進した金与正(キム・ヨジョン)氏も父親の「正」の一字を名づけられているが、母親の「高容姫」からの一字はない。

 大胆な見方をすれば、後継者ならば、必ず「正」か「恩」の一文字が使用されるものとみている。