2026年1月10日(土)

 やはり娘が「後継者」! 朝鮮労働党機関誌に「最高指導者が存命中に後継者を擁立する理由」が!

1月1日に錦繍山太陽宮殿を初めて公に訪問した「ジュエ」と称される娘(前列中央)

 朝鮮労働党の機関誌(理論誌)「勤労者」の2025年3月号に「朝鮮労働党は領導の継承問題を正しく解決した偉大な党である」との記事が掲載されていたと、韓国の「聯合ニュース」が一昨日(8日)報道していた。

 1年前の記事だが、韓国では北朝鮮が「ジュエ」と称されている金正恩(キム・ジョンウン)総書記の娘を本格的に後継者とする「烽火」だったのではないかとみているようだ。

 「ヒョンホ」という筆者名の記事には娘に関する直接的な言及はないものの労働党が「領導の継承問題解決に関する独創的思想理論を作り出した偉大な党である」ことが指摘され、その上で「労働党の本質は政治的首領の地位と役割を継ぐ後継者を擁立し、その指導体制を確立することである」ことが強調されていた。記事は特にこの件については「言い換えれば、社会全体の政治的領導を円満に実現できる品格と資質を備えた人民の指導者を首領の地位と役割をそのまま引き継いだ首領の後継者として擁立し、その領導く体系を確立することである」と念を押していた。

 さらに「人民の尊敬と信頼、政党の組織的意思によって後継者を推戴する事業」と「首領の生存時に後継者の領導(指導)体制を確立する作業」が後継問題解決の基本的な要求であることも同時に指摘されていた。加えて幹部、党員、労働者の間で後継者への忠誠心を育むことや後継者の唯一の指導体制に反するあらゆる不健全な現象や要素に反対する闘いを強化することの重要性についても言及されていた。

 注目すべきは、労働党は「偉大な伝統をすでにつくった」として金正日(キム・ジョンインイル)前総書記も金正恩総書記も先代の指導者が生存時から権力継承をスタートさせていた事例に触れていることだ。

 二代目の金正日前総書記は82歳で他界した金日成(キム・イルソン)主席が還暦を迎えた1972年に、また三代目の金正恩総書記も父親が2011年12月に亡くなる遥か前に後継者に指名されていたが、記事には金正日氏が「早い時期から敬愛する金正恩同志を主体革命偉業を代を継いで継承する偉大な継承者に育てることに深い関心を寄せ、心血を注いでいた」と書かれてあった。

 このことについて「聯合ニュース」は「北朝鮮が金正日と金正恩の継承過程を喚起させ後継者の重要性を強調したことは4世代にわたる世襲継承を早期に正当化しようとする試みかもしれない」と論評している。

 娘の後継者問題については梨花大学統一研究院と「我が民族助け合い運動」が1月2日に主催した討論会で韓国統一部の傘下機関である統一研究院のパク・ヨンジャ専任研究員が2024年に亡命した北朝鮮軍人の娘に関する注目すべき証言を紹介していた。

 それによると、軍将校らの間では娘の偶像化学習が始まっており、娘は「尊敬するお子様」あるいは「新星 女性将軍」と呼ばれているだけでなく、「コンピューターの天才」とも呼ばれているようだ。ちなみに、娘は昨年4月に平壌のニュータウン、和盛地区に開業したゲームセンター「和盛コンピューター娯楽館」にも父親に同行し、訪問していた。

 昨年予算を打ち切られ閉鎖した米国の対北メディアである「自由アジア放送」(RFA)などは2023年11月の段階で「ジュエが『朝鮮の新星』とか『女将軍』と呼ばれている」との情報を流していたが、そのことがはからずも裏付けられたことになる。

 娘には「愛する」から「尊貴なる」さらには「尊敬する」との敬称が付けられているほか、「向導の偉大な方」との敬称も付けられている。「向導の偉大な方」は「革命闘争で人民大衆が進む前途を照らし、彼らを勝利の道に導く領導者」を指す。

 父親の金正恩総書記も後継者としてデビューするまでは北朝鮮国内では「新星将軍」「青年大将」と呼ばれ、また「3代将軍の後を継ぐ文武を備えた卓越した軍事英才」呼ばれていた。

 娘は昨年金日成主席の生誕日である4月15日に和盛地区第3段階1万世帯住宅の竣工式に同行し、祝賀公演を鑑賞したが、朝鮮中央テレビには娘だけに焦点を合わせ映像というか、クローズアップした場面が何カ所も映しだされていた。娘が単独で映し出されたのはこれが初めてであった。また、娘が建国の父である金日成主席の生誕日である「太陽節」関連行事に出てきたのもこれが初めてであった。

 娘が今年1月1日、金日成主席と金正日前主席が安置されている錦繍山太陽宮殿を初めて公に訪問し、注目を集めたのは周知の事実である。

 どうやら娘は後継者の道を着々と歩んでいるようだ。