2026年1月25日(日)
激しさを増す北朝鮮の日本バッシング
金正恩総書記と高市早苗首相(労働新聞と首相官邸HPから筆者キャプチャー)
日本では総選挙が実質的にスタートしたが、北朝鮮は日本の選挙に関心を示すことはなさそうだ。韓国に対する対応同様に政権が交代しても、誰が首相になっても日本の対北外交,政策には変わりがないからだ。
日韓関係が好転したこともあって韓国のメディアの対日バッシングは完全に影を潜めているが、北朝鮮からの対日バッシングは相も変わらずで、絶えることがない。
しかし、昨年12月は対日絡みでは5日に国営放送「朝鮮中央通信」が配信した「敗亡 80年の日本の針路」との見出しの記事で靖国神社への首相の玉串料奉納や防衛予算の増額、F−35Bステルス戦闘機の航空自衛隊基地配備など7つの実例を挙げ、日本が軍国主義復活に向かっていると批判しただけだった。
その後、日本に関する報道は11日、12日、13日、14日、15日と5日連続であったものの台湾問題を巡って日本を批判する中国国防部や外交部の談話や見解を伝えるだけで北朝鮮による直接的な日本批判ではなかった。
しかし、今年1月は党機関紙「労働新聞」や「朝鮮中央通信」を通じてすでに6日、11日、24日とすでに3回にわたって日本批判を展開している。
例えば、「労働新聞」は6日付けで最大規模の防衛費予算編成などで軍備を増強している日本に対して「自滅的な妄想にとらわれ、再侵略の策動にますます狂気を帯びている」と非難していた。前日に高市首相が新年記者会見で「強い覚悟をもって、我が国の独立と平和、国民の生命と暮らしを守るため、今年、三大安保文書の改定を目標に検討を進めていく」と述べていたことを意識してのものだった。
続いて「朝鮮中央通信」は11日付けに「新軍国主義の終着点は『強い日本』ではなく滅びた日本である」との見出しを掲げ、「日本は『平和国家』のベールさえ完全に脱ぎ捨てて戦争国家、侵略国家への進化を制度化、国策化する道に入ろうとしている」として、日本への警戒感を露わにしていた。
そして、24日は再び「労働新聞」が国際欄で小泉防衛大臣の訪米を「自己破滅に至る愚かな行動」と批判していた。
「新政権が誕生すると、公務員が次々と米国を訪問するのが慣例となっている。小泉の訪米もそれに沿っている」と皮肉り、「米国防長官との会談で小泉は日米同盟の強化に注力し、地域での影響力拡大に注力すると約束した。これは、日本が隣国を軍事作戦区域として公に宣言したのと何ら変わりない」と断じ、「小泉の米国に対する行動は日本を大国にしようとしたものであり、日本の自滅を助長する愚かな行動に過ぎない」と批判していた。
昨年10月21日に首相に就任して以来、高市早苗首相は「あらゆる選択肢を排除せず、私の代で何としても突破口を開き、拉致問題を解決したい」と、日朝首脳会談に向け並々ならぬ決意を表明し、実際に11月3日に都内で開かれた日本人拉致問題の「国民大集会」に出席した際に「北朝鮮に首脳会談したい旨を伝えた」ことを明らかにしていたが、北朝鮮から返ってくるのはバッシングだけである。
2004年5月以来、20年以上も途絶えている日朝首脳会談の再現を千秋の思いで待ち受けている拉致被害者家族にとってはまだまだ辛い日々が続きそうだ。