2026年1月3日(土)

 日中対立を横目に中国に接近する韓国 中国人の対韓好感度は8か国中6位、日本は最下位

韓国慶州での日韓首脳会談と中韓首脳会談(出典:大統領室)

 韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領は明日(4日)からの訪中を前に中国中央テレビ(CCTV)とのインタビューに応じた。

 李大統領は習近平主席の招待で7日まで国賓として訪中する。韓国大統領の公式訪中は2017年9月の7文在寅(ムン・ジェイン)元大統領以来7年ぶりである。李大統領の訪中には三星(サムソン)、現代(ヒュンデ)ら4大財閥の総帥を含め約200人の財界人が随行する。

 中韓関係はここ数年ぎくしゃくした関係が続き、韓国内の反中感情はピークに達しているが、李大統領は「韓国と中国の間には誤解や対立が幾つかあったが、今回の中国訪問を通じて誤解を解消し、二国間関係を新たなレベルへと引き上げていく」と述べた上で「東北アジアにおける平和、安定、共通の繁栄は韓中双方にとって重要な課題である」と、訪中の意義を強調していた。

 日本で評判の悪い習近平主席の印象については「昨年慶州のAPEC(アジア太平洋経済協力体)首脳会議の場で会談した時「彼は『信頼できる隣人』であり、『一緒にいられる助けになる隣人だ』と感じた。彼は卓越した寛大な指導者だった」とのリップサービスを口にすることも忘れなかった。

 高市早苗首相の「存立危機事態」発言により日中関係悪化の要因となった台湾問題については「韓中外交関係樹立時の両国政府の合意内容は依然として韓中関係の定義における重要な基準として有効である。私は『一つの中国』を尊重している」と発言し、中国を喜ばせた。韓国は日本よりも20年遅れの1992年に盧泰愚(ノ・テウ)保守政権下で韓国と中国の外交関係を樹立している。

 また、今後の対中関係の展望について李大統領は「中国には『実事求是』という用語がある。それぞれが国益を忠実に追求しても相手の立場を最大限に配慮し、調整すれば、いくらでも大きな利益を得られる」と、相互尊重をベースに中国との関係を進めていく考えを明らかにした。

 韓国は日本同様に米国とは軍事同盟関係にあることから再三米国から対中で共同歩調を求められているが、この点について李大統領は「過去には『安米経中』、即ち安保は米国、経済は中国という論理があった。確かに米国との安保協力は不可欠である。だからといって、中国と衝突するのは韓国の国益に全く役に立たない。韓中両国は最大限互いに利益になるようなことを追及していかなければならない」と語り、李大統領得意の「米国にサンキュー、中国にシェシェ」の姿勢を貫く姿勢を明らかにしていた。

 それでも韓国内で年々高まっている「嫌中感情」により中韓関係が脆弱であることは認識しているようで李大統領は両国の関係が悪化しないようにするためには「お互いが必要としているものが何かを常に話し合い、把握する必要がある。両首脳は少なくとも年に一度は会うべきだ。私が中国に行ってもよし、中国の指導者が韓国に来るのもよし」と、シャトル外交の重要性を強調していた。

 中国は韓国にとって米国に次ぐ、経済依存国であるが、今後の経済協力関係については「最も重要なのは、人工知能(AI)を含むハイテク産業において水平的な協力関係を構築し、互いに利益を生み合うことが最も重要である」と説明し、特に「中国は急速に再生可能エネルギーへ移行し、太陽光発電で世界を支配している」と予測し、「この分野での協力が韓国にとって非常に大きなチャンスの扉となる」と述べていた。

 最後に日本が警戒し、逆に中国が期待している「歴史問題」についてはCCTVの記者から過去の韓国や中国での抗日運動について尋ねられた際、「自国の利益のため他国を侵略したり、他民族を虐殺することは二度とあってはならない」と、日本の過去の戦争を批判し、「韓国と中国が侵略に共同で戦った歴史的経験は非常に重要である」と述べていた。

 李大統領は中国滞在中に日本の植民地時代に抗日独立運動家・金九(キム・グ)らが樹立し、1926年から1932年まで臨時政府の庁舎として使っていた上海にある施設を今年が庁舎設置から100年と金九生誕150年の年にあたることから訪問するようだ。

 なお、清華大学戦略安保研究センターが1月2日発表した「2025年中国人の国際安保観」に関する報告書によると、韓国人の対中好感度とは正反対に中国人の対韓好感度は前年度に比べて上昇していた。

 昨年7月と11月に2度にわたって全国成人男女2千人以上を対象に行われた同研究センターの世論調査によると、韓国は5点満点のうち2.61点で、前年度の2.10点から0.51点アップした。なお、日本は調査対象国では最下位の1.90点で3年連続で最下位だった。

 ちなみに1位はロシア(3.48点)、2位が英国(2.92点)、3位EU(2.86点)、4位ASEAN(2.74点)、5位韓国、6位米国(2.38点)、7位インド(2.06点)の順だった。

(参考資料:訪日を前に李在明大統領を「国賓」として一本釣りした中国 注目は上海の大韓民国臨時政府庁舎訪問!)