2026年7月17日(金)
北朝鮮が7月27日に「ドローンショー」を準備!? ウクライナ戦で取得した技術による攻撃無人機を披露か
3年前の「戦勝70周年」閲兵式に登場した北朝鮮の攻撃用無人機(朝鮮中央テレビ)
朝鮮戦争休戦記念日(7月27日)が近づいている。
米海軍の偵察機が7月14日に突如、朝鮮半島上空に現れ、長時間にわたり偵察活動を行っていたことが確認され、数日前からその背景に注目が集まっていた。
偵察活動を行ったのは高高度無人機MQ−4C「トライトン」。「トライトン」は米海軍が運用する高高度・長時間滞空型の無人情報・監視・偵察(ISR)機であり、ノースロップ・グラマン社が高高度無人偵察機RQ−4「グローバルホーク」を海軍向けに改良した機体として知られている。一度に24時間以上飛行することが可能で、海洋および沿岸地域における情報収集、監視、偵察能力を備えている。
「トライトン」は午前8時45分頃に北朝鮮と隣接している京畿道・安山市上空から進入し、安山市と江原道・洪川郡周辺を結ぶ区間を午後2時まで約5時間にわたり5〜6回往復した。飛行高度は約14kmで、飛行経路はいずれも軍事境界線に近い。
米国の無人機が朝鮮半島上空に飛来するのは、北朝鮮の軍事動向、とりわけ異変の兆候がある場合が多い。その主な任務は、地上および海上からのミサイル発射の動きを事前に探知することである。
北朝鮮は今年上半期までに弾道ミサイルを9発発射している。先月25日にも240ミリロケット砲や155ミリ自走曲射砲とともに戦術弾道ミサイルを発射していたが、米国本土にとって脅威となるような長距離ミサイルではなく、短距離ミサイルにとどまっていた。
一方、先月下旬、米国の北朝鮮専門サイト「NKニュース」は、民間衛星画像会社「プラネット・ラブズ」の衛星画像を分析した結果、平壌郊外にある軍事パレード訓練施設で兵員輸送用とみられる車両を多数確認したと報じていた。一部では、北朝鮮が7月27日(北朝鮮では「戦勝記念日」)に合わて再び軍事パレードを実施するのではないかとの見方も出ていた。
しかし、「NKニュース」は昨日、一転「北朝鮮が平安北道の方?(パンヒョン)空軍基地で既存施設を撤去し、大規模な軍事ドローン実演の準備を進めている」と報じていた。これも「プラネット・ラブズ」の衛星画像に基づいているが、方?空軍基地の滑走路や誘導路沿いに設置されていた航空機用の防護壁や土塁などが7月5日までに撤去されたことが確認されたという。
飛行場には、滑走路東端方向を向く形で数百人を収容できる6列構成の観覧席が2基設置され、観覧席の間では金正恩(キム・ジョンウン)総書記らVIP向けとみられる多層構造の建物の建設工事も進められており、ほぼ完成段階にあるとみられる。
「NKニュース」は、こうした動きから、軍事パレードではなく、7月27日に合わせた大規模な軍事ドローン実演を準備している可能性が高いと分析している。
なお、方?空軍基地内には無人機(UAV)の研究・試験・開発・エンジニアリング施設があり、今年3月には新型無人戦略偵察機「セッピョル4」と「セッピョル9」が並んでいる様子が初めて確認されている。
北朝鮮は2021年から2025年までの「国防科学発展及び兵器システム開発5か年計画」で、500km先まで精密偵察が可能な無人偵察機の開発を重点目標に掲げていた。しかし、ウクライナ戦争への参戦を契機に、無人攻撃機の必要性を改めて痛感したものとみられる。
金総書記は昨年3月25日、無人航空技術連合体傘下の研究所や企業で新たに開発・生産されている各種無人偵察機や自爆攻撃型無人機の性能試験を視察した。また、9月18日には無人航空技術連合体の事業を指導し、「クムソン(金星)」系列の戦術無人攻撃機の試射を参観していた。
その際、新たに導入したAI技術の開発を加速させることに優先的に取り組み、無人機の量産能力を拡大・強化するための対策を講じるよう指示していた。さらに10月23日には、ロシアの攻撃ドローン生産に関係する高官が北朝鮮を訪問していた。
また、今年2月に開催された朝鮮労働党第9回大会で打ち出された新たな国防発展計画(2026〜2031年)には、各種AI搭載無人攻撃機の開発が盛り込まれていた。
仮に7月27日に「ドローンショー」が実施されるならば、ウクライナ戦争への参戦を通じて習得したドローン運用技術を披露するとともに、小型自爆攻撃ドローンなどによる実演が行われる可能性が大だ。