2026年6月4日(木)
韓国統一地方選 ソウル市長選は野党現職が逆転再選 「タマネキ男」は落選・・・次期大統領選にも影響か
与党「共に民主党」の鄭清来代表(左)野党「国民の力」の張東赫代表(出展:「ニュース1」)
韓国の統一地方選挙の開票状況を徹夜で見ていた。
最大の注目を集めていたソウル市長選は今朝10時になって判明した。
野党「国民の力」の現職、呉世勲(オ・セフン)候補(65歳)が、与党「共に民主党」の鄭愿伍(チョン・ウォノ)候補(57歳)を破り、再選を果たした。
選挙期間中に公表された各種世論調査では、呉候補は一貫して劣勢とみられていた。SBSの調査では35%対46%、JTBCでは38%対43%、MBCでも37%対41%と鄭候補がリードしていた。また、KBS、MBC、SBSの3大ネットワークによる合同出口調査でも、鄭候補が51.4%%と、46.0%の呉候補に5ポイント以上の差を付けていた。
しかし、開票が進むにつれ情勢は一変した。開票率50%時点では呉候補は20ポイント近い差を付けられ絶望しされていたものの、その後急速に追い上げ、開票率94%で逆転。そのまま逃げ切り、劇的な勝利を収めた。呉候補は49.08%(253万票)を獲得し、48.2%(249万票)の鄭候補を振り切った。
一方、釜山市長選では事前予想通り、「共に民主党」の田載秀(チョン・ジェス)候補(55)が50.52%を獲得し、「国民の力」の現職、朴亨凵iパク・ヒョンジュン)候補(66)を47.90%で退けた。両者の差は約4万6000票、2.6ポイントだった。
韓国第3の都市・大邱市長選では、「国民の力」の秋慶鎬(チュ・ギョンホ)候補(65、元副首相兼企画財政相)が、「共に民主党」の金富謙(キム・ブギョム)候補(68、元首相)との一騎打ちを制し、保守の牙城を守り抜いた。
事前の世論調査では秋候補が2〜3ポイントのリードにとどまり、出口調査でも49.9%対49.1%と僅差だった。しかし実際の開票結果では秋候補が53.92%を獲得し、45.05%の金候補に約11万5000票、約8ポイントの差を付けて勝利した。
▲注目の国会議員補欠選挙
京畿道・平沢乙区補欠選挙では、「共に民主党」の金龍南(キム・ヨンナム)候補(56)、「国民の力」の兪義東(ユ・ウィドン)候補(54)、そして革新系野党「祖国革新党」の゙国(チョ・グク)代表(61)による三つ巴の戦いが繰り広げられた。
事前の世論調査では兪候補は3位にとどまっていたが、本番では追い上げを見せて勝利。与党系候補は共倒れとなり、゙候補は3位に沈んだ。出口調査では金候補が34.2%、゙候補が31.6%、兪候補が30.6%で、兪候補は3番手だった。しかし、結果は兪候補が34.83%で、2位の28.77%の金候補に約6ポイントも差を付け、勝利した。
また、釜山北区甲補欠選挙では、野党陣営から「国民の力」の朴敏植(パク・ミンシク)候補(60)と、同党元代表の韓東勲(ハン・ドンフン)候補(53)が無所属で出馬したため保守票の分散が懸念された。しかし、最終的には韓候補が勝利を収め、与党が擁立した李在明大統領側近とされる元大統領府AI首席秘書官の河丁友(ハ・ジョンウ)候補(48)は惜敗した。
出口調査では河候補が42.6%、41.6%の韓候補をリードしていたが、開票率88%の段階で韓候補が逆転し、1.7ポイント(1392票)差でそのまま逃げ切った。
この選挙区は釜山市長選に出馬した田載秀氏の地盤として知られ、河候補は田市長候補と連携して選挙戦を展開したが、議席獲得には至らず、与党の地盤を守れなかった。
今回の地方選挙の結果は、今後の大統領選挙の構図にも大きな影響を及ぼす可能性がある。
「共に民主党」は、ソウル市長選に加え、優勢が伝えられていた慶尚南道知事選、必勝を期した平沢乙区、釜山北区甲の補欠選挙で議席獲得に失敗したことで鄭清来(チョン・チョンレ)代表は秋に予定される党代表選での再任が厳しくなったとの見方が広がっており、次期大統領候補としての立場にも影響が及ぶ可能性がある。
また、再度政界進出を目指した「タマネギ男」こと「祖国革新党」の゙国代表も敗北したことで大統領への道のりは一段と険しくなった。
一方、「人材不足」と指摘されてきた「国民の力」にとっては明るい材料が増えた。激戦の末にソウル市長選を制した呉世勲市長と、釜山北区甲で勝利した韓東勲前代表が、有力な次期大統領候補として急浮上したと言える。
両氏はいずれも尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領による非常戒厳令を批判しており、張東赫(チャン・ドンヒョク)代表率いる現執行部とは一定の距離を保っている。今回の選挙結果は、保守陣営内の主導権争いにも新たな局面をもたらしそうだ。