2026年3月17日(火)

 NATO主要国で「トランプより中国に依存」世論が優勢 米国離れは日韓でも進む?

昨年10月慶州で首脳会談を行ったトランプ大統領と李在明大統領(出典:大統領室)

 米国の同盟国ではいずれも、トランプ政権のワンマンな手法と「米国ファースト政策」に振り回され、米国離れが急速に進んでいるようだ。

 世論調査会社「韓国リサーチ」が4年前に成人男女約1000人を対象に、米国、中国、日本、フランス、ドイツなど主要20カ国・地域に対する好感度などを調査したことがあったが、信頼する国のトップは米国で、71.6%とダントツに高かった。「好きな国」のトップも、昔も今も米国である。

 逆に嫌いな国のトップは、北朝鮮を除くと中国である。昨年2月、東アジア研究院(EAI)が韓国リサーチに依頼して実施した調査によると、中国に対する否定的な回答は71.5%にも達していた。

 韓国と同様に親米的な日本でも、尖閣の領土問題や台湾有事の問題、さらには習近平政権の強権政治などを背景に、中国に対する不信感が年々高まっている。だが昨日、韓国の「JTBC」の放送を見て驚いた。米国の同盟国であるNATO(北大西洋条約機構)の主要国では、トランプ政権下の米国よりも中国への信頼が高いとの世論調査結果が出たからだ。

 米政治専門メディア「ポリティコ」は、先月6〜9日に英国の世論調査機関「パブリック・ファースト」と合同で、米国、カナダ、英国、フランス、ドイツの5カ国でそれぞれ2000人以上を対象に実施した世論調査の結果を15日に報じていた。

 その結果、米国と国境を接する伝統的な友好国カナダでは、回答者の57%が「トランプ大統領が率いる米国と中国のどちらに依存する方がよいか」という質問に対して「中国」を選んでいた。「トランプが率いる米国」を選んだ回答は23%にとどまり、2倍以上の差がついていた。

 他の国の中国への信頼度はカナダほど高くはないが、米中を比較すると、ドイツでは40%対24%、フランスは34%対25%、英国は42%対34%と、いずれも中国を選んだ回答者が「トランプが率いる米国」を選んだ回答者より多かった。

 この世論調査では「将来の覇権」についても、「今後10年後、米国と中国のどちらが世界の支配的国家になると思うか」と質問しているが、米国を除く4カ国すべてで中国を挙げる回答が米国を上回っていた。ドイツでは過半数の51%、カナダでも49%、フランスでは48%、英国では45%が、それぞれ中国を指していた。

 同盟国であるにもかかわらず法外な関税を課したり、「安保ただ乗りは許さない」としてNATOに国防費の増額を求めたり、その一方でNATOが求めるウクライナへの軍事支援には消極的で、当事国のウクライナの頭越しにロシアと取引しようとしたり、さらにはカナダを米国に組み入れようとしたり、デンマークにグリーンランドを譲るよう圧力をかけたりするなど、傲慢な振舞をするトランプ大統領への嫌悪感が反映されているようだ。

 イランを軍事攻撃したトランプ大統領は、周知のように、イランがホルムズ海峡の封鎖に踏み切ったことへの対抗措置として、英国、フランス、日本、韓国など同盟国に対し、タンカーや貨物船を護衛するため軍艦を派遣するよう圧力をかけている。

 トランプ大統領は昨日、ホワイトハウスの執務室で記者団と会い、自身が呼びかけたホルムズ海峡封鎖解協力に対して各国の反応が鈍いことを批判していた。

 トランプ大統領は「我々は日本に4万5000人、韓国に4万5000人、ドイツにも4万5000人から5万人の兵力を駐留させ、何十年もの間、同盟国を守ってきたが、いざ我々が必要な時に彼らが我々を助けないかもしれないという点が常に問題だった」と不満を爆発させていた。

 さらに「我々は恐ろしい外部の脅威から彼らを守ってきたが、彼らはそれほど熱心ではなかった」と述べ、「その熱意の度合いは私にとって重要だ」と語った。

 また、「日本は(ホルムズ海峡を通じて)95%、中国は90%を輸入しており、いくつかの欧州諸国もかなりの量を輸入している。韓国も35%を輸入している」と指摘した上で、「彼らは我々に感謝するだけでなく、我々を助けるべきだ。驚くべきことに、彼らはそれほど積極的ではない」と述べ、同盟国に「派兵」を強く迫った。

 相も変わらずトランプ大統領の認識違いは甚だしい。ちなみに在韓米軍は約2万8000人、在日米軍は約5万人、在独米軍は約3万5000人である。トランプ大統領は過去にも在韓米軍の人数を4万5000人と発言したことがある。

 今回、トランプ政権が国際法を無視してイランを攻撃したことや、同盟国に対して無理難題の要求を突きつけ圧力をかけていることから、対米不信はさらに深まり、米国離れに拍車をかけることになるであろう。