2026年5月31日(日)
韓国の外国人所有住宅が1年で8%増 首都圏のマンションは中国人が買い占め?
ソウル市内の集合マンション(出展:ソウル市)
規制をかけても、韓国で外国人による住宅保有が増加を続けている。
韓国国土交通部が5月29日に公表した「2025年末基準 外国人の土地・住宅保有統計」によると、2025年12月時点で外国人が所有する韓国内の住宅は10万8231戸となり、前年末の10万216戸から約8%増加した。外国人所有住宅が10万戸を超えたのは統計開始以来初めてで、国内全住宅の0.55%を占めている。
近年、韓国では中国人による不動産購入が社会問題として取り上げられてきた。不動産価格や住宅価格の高騰の一因として、特に中国人による土地やマンションの購入拡大を指摘する声も少なくない。
こうした状況を受け、韓国政府は2024年8月、外国人による不動産投機を防ぐ目的で首都圏の主要地域を外国人向け土地取引許可区域に指定した。規制導入後の2024年9月から2025年4月までの外国人によるソウル市内の住宅取引件数は前年同期比44%減少した。
特に規制対象となった「江南3区」(江南区・瑞草区・松坡区)と龍山区では、外国人による住宅取引が58%減少した。京畿道でも23%減、仁川市では30%減となり、首都圏全体で外国人の不動産取引が大幅に縮小した。
一方で、住宅保有数そのものは増加傾向が続いている。
国籍別では中国人の保有住宅数が6万1439戸と最も多く、外国人所有住宅全体の約57%を占めた。2位は米国人の2万3187戸で、以下、カナダ人(6542戸)、台湾人(3400戸)が続いた。
ただし、中国人居住者の住宅所有率は7.5%にとどまっている。このため、一部では依然として居住目的ではなく投資・投機目的で保有しているケースが多いとの指摘が出ている。これに対し、韓国内に居住する外国人の住宅所有率は米国人が27.4%と最も高かった。韓国には主要都市に米軍基地があり、2万8500人の米軍が駐屯している。
外国人所有住宅の7割以上は首都圏に集中している。
地域別では京畿道が4万2386戸(39.2%)で最多となり、ソウル市の2万4541戸(22.7%)、仁川市の1万1279戸(10.4%)が続いた。
保有地域にも国籍ごとの特徴が見られる。米国人は江南区や平沢市、瑞草区などに住宅を所有しているのに対し、中国人は富川市や安山市、始興市など京畿道西部の都市部に集中している。これらの地域は工業団地が集積し、長期滞在する外国人労働者が多いことで知られている。
韓国政府は投資目的の住宅取得を抑制するため、外国人向け土地取引許可区域内で住宅を購入した場合、2年間の実居住義務を課している。また、高級マンションなどを投機目的で購入したと判断された場合には譲渡所得税を最大10%引き上げるほか、取得後6カ月以内に居住しない場合は取得税20%を課すことにしている。
李在明政権は外国人による不動産投機への規制強化を進めているが、外国人住宅保有数の増加に歯止めをかけるまでには至っていないようだ。