2026年5月5日(火)
北朝鮮はロシアが勝利するまで派兵する! 北朝鮮の「特攻隊」は無尽蔵
海外軍事作戦戦闘偉勲記念館を参観した青年同盟大会参加者
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、5月9日の対ドイツ戦勝記念日までにドンバス地方の制圧を目指していたとみられる。しかし、現状は、ドネツク州やザポリージャ州北東部を中心に前進しているものの、ウクライナ軍の激しい抵抗に直面し、戦況は膠着状態に陥っている。
ロシアは、ハルキウ州やスーミ州州など国境地帯に「緩衝地帯」を設けるとともに、ザポリージャ州およびヘルソン州を制し、さらに長期的にはミコライウ州やオデーサ州の掌握を狙う構えだ。しかし、こうした構想とは裏腹に石油施設や軍事施設などロシア国内の主要施設がドローン攻撃を受けるなど、予想外の苦戦を強いられており、死傷者数と戦費は増大の一途をたどっている。
こうした実情は、ウクライナ大統領府副長官のパリサ氏が現地メディア「RBKウクライナ」のインタビューで明らかにしている。
同氏は「占領された領土1平方キロメートルあたり、平均で約120人のロシア軍の死傷者が出ている」と述べている。さらに、ドネツク州に限れば「1平方キロメートルの占領につき316人の死傷者が発生している」とし、「ドンバス地方の前線におけるロシア軍の損耗は平均で約3倍に増加している」と指摘していた。
死傷者の増加は補充で対応可能とされるが、祖国のために自発的に志願する若者は限られている。金銭的インセンティブを提示しても徴兵は思うように進まず、兵力確保は難航している。
そのため、ロシアは外国人部隊への依存を強めている。これまでにベラルーシ、カザフスタン、キルギス、タジキスタン、さらにはアフリカ諸国から人員を募り、約2万8000人を前線に投入したとされるが、その多くは正規軍ではなく傭兵である。そうなると、頼りになるのはクルスク州奪還の作戦で重要な役割を果たしたとされる北朝鮮の正規軍である。
北朝鮮は2024年6月にロシアと締結した「包括的戦略的パートナーシップ条約」に基づき、同年10月以降、3回にわたり延べ1万2000〜1万5000人をロシアへ派遣した。その結果、2000人以上の戦死者を出している。北朝鮮にとっては想定外の数だ。
(参考資料:知覧特攻平和館を彷彿させる北朝鮮の対露派兵記念館 戦死者は2千人超え!)
米国の北朝鮮専門メディア「NKニュース」は、ウクライナ国防省情報総局(HUR)の報告書を基に、北朝鮮兵の累計死傷者を7058人と推計している。内訳は死亡者2251人、負傷者4807人とされる。これらの兵士は祖国防衛ではなく、他国の戦争に動員されて命を落としている。
北朝鮮は遺族のための住宅建設や平壌への移住支援、さらに戦死者を追悼する「海外軍事作戦戦闘偉勲記念館」の建設を進め、金正恩(キム・ジョンウン)総書記は竣工式で彼らを「正義と尊厳、平和守護のための聖戦に身をささげた烈士、英雄」と称えた。しかし、その実態は他国の戦争で命を落としたという事実に変わりはない。
こうした状況を踏まえれば、これ以上の犠牲拡大は避けるべきとの見方が自然だが、北朝鮮に限っては事情が異なるようだ。4月28日から30日にかけて平壌で開催された社会主義愛国青年同盟(青年同盟)第11回大会では、金総書記への誓文と決定書が全会一致で採択された。
詳細は明らかにされていないが、参加者全員が「海外軍事作戦戦闘偉勲記念館」を参拝したと伝えられる。国営の朝鮮中央通信によれば、参観者らは「烈士の高潔な精神を継承し、国家の尊厳と名誉をさらに輝かせる」と誓いを立てたとのことである。
さらに、報道では、彼らが戦没者を「祖国の尊厳と名誉の代表者」として称え、その精神を受け継ぐ決意を新たにした様子が強調されている。こうした動きは、今後も海外派兵が継続される可能性を示唆している。
ウクライナ国防省情報総局の報告によれば、北朝鮮は今年初めの時点で約1万4000人の兵士をロシアに駐留させ、そのうち約9500人が実戦に参加しているとされる。仮にロシアの敗北を自国の敗北と位置づけているのであれば、北朝鮮はロシアの勝利まで兵力を送り続ける構えとみられる。
そうなれば、北朝鮮兵の犠牲は今後も限りなく増え続けるであろう。
(参考資料:ロシア国防相は制圧を目指すドンパス地方にも北朝鮮に派兵を要請か?)