2010年8月26日(木)

「金正日ーカーター会談」よりも「金正日訪中」

 えっ!? 金正日総書記が未明に列車で国境を越え、中国に入ったと、韓国の連合通信が伝えた。洪水被害を被った新義州を通過して入ったということなのか。

 事実なら、金総書記が昨日、カーター元大統領と面談せず、夕食会も主催しなかった謎が解ける。金総書記が接待できなかったから、身代わりとして金永南最高常任委員長が接待したということになる。

 カーター元大統領は、今日、北朝鮮で身柄を拘束されている米人を連れて、帰国の途に着くが、帰国を前に金総書記との面会が実現するだろうと思っていたが、金総書記が訪中し、平壌に不在なら、会談はない。

 「北朝鮮が米人釈放の条件として米国の特使としてカーター元大統領を指名を、招請したわけだから、金総書記はカーター大統領に米朝関係改善の仲介を要請するのは間違いない。オバマ大統領宛のメッセージも託すだろう」との予想はものの見事に外れた。

 米国はすでに北朝鮮が6か国協議に誠意を持って臨むならば、非核の意思があるならば、行動で示して欲しいと要請していたが、金総書記はカーター氏との会談で米国が米朝協議に応じることを条件に稼働中の核施設の凍結とそれを監視するためのIAEA(国際原子力機関)要員の復帰に同意することも考えられると予測していたが、残念だ。

 カーター元大統領との会談よりも、金総書記にとっては訪中のほうが重要ということなのだろうか。5月の訪中からまだ3ヶ月しか経ってないのに再度訪中とは極めて異例というか、常識外だ。よほど切羽詰った事情でもあるのだろうか。