2010年8月30日(月)

金正日 ハルビン到着

 訪中中の金正日総書記は28日に吉林省の長春で胡錦濤主席と会談し、そのまま帰国すると思いきや、さらに北上し、昨日は黒龍江省の哈爾濱(ハルビン)に立ち寄ったそうだ。

 ハルビンと言えば、朝鮮初代総監である伊藤博文が安重根に暗殺された、歴史的な場所として知られているが、ハルビンはまた、先代の金日成主席の抗日パルチザン活動の拠点として、北朝鮮の人々に広く知られている。奇しくも、金総書記がハルビンに到着した29日、北朝鮮のテレビでは1979年に上映された「安重根、伊藤博文を撃つ」が放映されていたそうだ。

 日韓併合条約は8月29日に交付され、発効した。その100周年にタイミングを合わすかのようなハルビン訪問は、政権の、革命の正統性をアピールするにもってこいということなのか。解放記念日の8月15日にソウルで珍しく白衣の民族衣装を着て、演説した李明博大統領も、予想だにしてなかった強烈なパフォーマンスだ。

 今朝の情報では、宿舎の太陽島迎賓館を出て、ハルビン駅を出発したそうだ。そらく、この後、牡丹江から国境都市の図們を通って今日、30日には帰国するものとみられるが、牡丹江にもパルチザン活動の史跡があり、北朝鮮にとっては由緒のある場所である。