2011年11月30日(水)

カナダと同じの英国の対北朝鮮政策

 英国が重大な懸念を表したイランの核開発に北朝鮮が密かに協力していると、デニス・ブレア―前米国家情報局長が一昨日ワシントンで開かれた「米国への主な脅威とその対策」と題する討論会で「告発」していた。

 「両国の技術陣はミサイル胴体と核弾頭など核兵器製造方法を議論している可能性が相当に高い」と述べるブレア―前局長は「北朝鮮とイランの核協力を確信している」とまで断言した。

 ブレア―情報局長が言うように北朝鮮のイランへの核協力が事実なら、英国は北朝鮮に対しても新たな制裁を科してもよさそうなものだが、英国は来月、北朝鮮の李哲(イ・チョル)合営投資委員会委員長など北朝鮮の経済関係者ら3人を招請するとのことだ。

 李哲委員長は、昨年まで30年間にわたってジュネーブ駐在大使を務め、金正日ファミリーの個人資産から子息らの留学まで面倒を見た、金総書記の信任の厚い人物として知られている。

 李一行は英国の労働党議員らの招請によるものだが、十数回の訪朝歴のある労働党のグリーン・フォード議員によると、5日間の滞在中にデイビッド・エルトン上院議員らと会談するほか、スコットランドにある水力発電所を視察することになっている。

 李哲委員長は現在は、外国からの資本、投資を誘致する合営責任者になっているが、英政府は今年9月に北朝鮮政府の要請に応じ、水力発電所の専門家らを派遣していた。

 英外務省広報官は「英国は北朝鮮との交流を支持している。今回の交流を通じて北朝鮮官吏らは外部世界が北朝鮮に対する脅威ではなく、交流の対象であることを直接体験することになる」と語り、「これにより我が国の議員らは北朝鮮の核開発と人権問題への憂慮を直接伝えることができる」と述べていた。

 英国と日米との違いは、北朝鮮との議員交流が活発なことである。

 昨年はエルトン上院議員とカロライン・コックス上院議員の二人が訪朝しており、今年初めには答礼として崔泰福(チェ・テボク)最高人民会議議長が英国を訪れている。また、英国は国連の食糧計画を通じた大規模の支援以外にも平壌駐在の英国大使館を通じて数年前から小規模の人道支援を行ってきた。

 北朝鮮とイランとの核協力疑惑については先月の米朝高官協議を最後に米国務省の北朝鮮担当特別代表を退任したスティーブン・ボズワース氏は韓国の聯合ニュースとの単独インタビュー(21日)で「具体的な証拠をみていない。いろいろな動きがあることは知っているが、推測することは適切ではない」と語っていた。

 また、今月中旬にウィーンのIAEA本部を訪れた6カ国協議の韓国首席代表を務める林聖男(イム・ソンナム)朝鮮半島平和交渉本部長は北朝鮮とイランの間の核・ミサイルコネクションについてIAEA関係者から「一連の報道を裏付けるだけの情報や事実はなかった」との回答を得ていた。林聖男本部長は日本で「北朝鮮の技術者数百人がイランの核施設やミサイル施設にいる」と報じられためIAEAに問いただしたようだ。

 北朝鮮とイランとの核コネクションはまだ疑惑の段階だが、仮に事実であることがIAEAの調査によって判明した場合、さて英国はどうするのだろうか?