2010年12月13日(月)

終わったと思ったらまた軍事演習!

 韓国軍は今日から17日まで再び東海、黄海(西海)、南海の27か所で射撃訓練をやるようだ。

 衝突が起きた延坪島と白?島(ペクリョンド)付近は今回も除外されているが、韓国の軍事演習は、延坪島砲撃戦以後、米韓合同軍事演習を含めると、これで4回目だ。20間で4度とは尋常ではない。

 韓国軍は北朝鮮のさらなる挑発を防ぐための自衛措置とのことだが、北朝鮮からすると、韓国軍による執拗な挑発に映るだろう。朝鮮中央通信は土曜に「我が軍隊も人民も交戦拡大にも全面戦争にも準備ができている」と韓国軍の動きを牽制しているが、韓国軍の怒りはどうにも収まらないようだ。

 米国のブレアー前国家情報局(DIA)局長は昨日、CNNの時事番組で「韓国は我慢しきれず、北朝鮮に対して軍事措置を行う可能性がある」と述べていたが、不気味な予言である。

 ブレアー前局長はその理由について「北朝鮮に対して軍事措置を取らなければ、韓国はやっていけないからだ」と語っていた。北朝鮮にやられっぱなしでは韓国軍の面子が立たないということのようだ。

 最近、明らかになったことだが、延坪島で2度にわたる砲撃戦で韓国側に甚大な被害が発生したことで韓国軍は当日北朝鮮から3度目の攻撃があった場合は、F−15戦闘機で北朝鮮の基地を爆撃することになっていたそうだ。

 戦闘機による攻撃は激怒した李明博大統領自身が「何とかならないのか」と直接指示したと報道されているが、当時合同参謀本部議長だった金寛鎮(キム・グァンジン)国防相は「戦闘機で反撃した場合、民間人の大量被害を覚悟しなけばならない」と大統領に進言したそうだ。

 それでも、国軍最高司令官である李大統領の指示を受け、韓国軍は戦闘機をスクランブルさせたが、駐韓米軍司令部が待ったを掛けたようだ。戦闘機による攻撃、爆撃は、米韓連合司令部との協議事項に属するからだ。休戦協定を維持する立場にある国連軍、即ち米軍の許可なく、勝手にやってもらっては困るということのようだ。

 こうした秘話が事実なのか、それとも北朝鮮を牽制するための作り話なのか、真相は定かではないが、韓国が本当に復讐に燃えているならば延坪島周辺海域での演習再開や北朝鮮が嫌っている拡声器による非難放送を強行してもよさそうなものだが、自制しているのか、それとも、米国に止められているのか、あるいは最初からその気がないのか、やるぞやるぞと言いながら、なかなか踏み切ろうとはしない。

 また奇妙なことに韓国が北朝鮮に対して「ただではおかない」と盛んに脅しをかけているにもかかわらず、史上最大規模の米韓軍事演習期間中も、今回も金正日親子は地下にもぐらず、平然と工場視察やコンサート観賞を続けている。緊張感のない北朝鮮のこの動きは何なのか?

 もしかしたら、米国が韓国を押さえている限り、韓国単独では手を出さない、いや手を出せないとタカをくくっているからではないだろうか。怖いのはこうした南北双方の誤判である。