2012年5月8日(火)

米韓上空戦闘訓練中は行動を起こせない!

 米韓連合軍による過去最大規模の上空戦闘訓練「マックスサンダー」が昨日から始まった。18日まで行われるようだ。

 年2回行われる恒例の訓練だが、北朝鮮が予告した「特別行動」及び「核実験」を牽制することに目的があるようだ。ということは、少なくともこの訓練期間中は北朝鮮による「特別行動」も「核実験」もなさそうだ。

 北朝鮮が「特別行動」即ち、軍事行動を起こせば、韓国西部地域で訓練している60機の戦闘機と爆撃機の格好の餌食になるばかりか、反撃次第では平壌が火の海にされる恐れもあるからだ。

 核実験も同様で、実験の兆候が見られれば、米韓連合軍は未然に阻止する軍事オプションも排除しないとの報道が伝えられれば、いかに勇ましい金正恩最高司令官であってもリスクが伴う米韓空軍の演習期間中はそう簡単には核ボタンは押せないだろう。

 週末の12日から北京で日中韓首脳会談が、来週18日からは米国でプーチンロシア新大統領も出席するG8サミットがある。核実験阻止に向けての国際包囲網が一段と強まるだろう。

 このままボタンを押さないあるいは、押せないとなると、残った北朝鮮のカードは2010年10月に「100%我々の原料と技術に基づく軽水炉が力強く稼働するのを(世界は)目撃するだろう」と宣言した実験用の軽水炉の完成である。

 軽水炉の完成をもって、北朝鮮は「エネルギーの平和利用としてさらにウランを濃縮する」と宣言するかもしれない。