2011年10月10日(月)
久しぶりの「横田めぐみ生存情報」
北朝鮮の労働党創建日に合わせたかのように韓国から日本人拉致情報が流れてきた。それも、久しぶりの横田めぐみさんに関する生存情報である。
情報の発信源は「消息筋」とか「情報筋」とかいい加減なものでなく、韓国の現職国会議員、朴宣映(パク・ソンヨン)議員(55歳)である。
韓国の第二野党、自由先進党に所属する朴宣映議員は、昨日(9日)、北朝鮮から韓国に脱北した男性(リ・ヨンス=仮名)からの話として「横田めぐみさんは2004年末か05年初めには生きており、04年11月に北朝鮮が日本に渡した遺骨は偽物である」との情報を明らかにした。
朴宣映議員によると、2007年に韓国に脱北してきた今年46歳になるこの男性は、2004年初めに北朝鮮の大同江周辺の地下食堂で日本人拉致担当工作員を父親に持つ日本人拉致担当の対日連絡指導員(当時42歳)と会った際にめぐみさんに関する情報を直接聞いたという。この男性は、対日工作員とは2004年末から2005年初め頃に度々接触し、会食していたそうだ
北朝鮮がめぐみさんを死亡扱いし、日本に引き渡さなかったことについてこの脱北男性は対日連絡指導員から「知ってはいけないことを多く知りすぎたため、帰したくても帰せない。実は生きている。遺骨は偽物を送った」との話を聞かされたとのことだ。
また、この対日連絡指導員からは「めぐみさん以外にも拉致されてきた日本女性が他に4人いる」と聞かされ、そのうち1人は、50代後半の女性で療養所の調理師として働いていたが、工作員教育を拒否し、咸鏡南道にある耀徳(ヨドク)政治犯収容所に収容され、革命化区域に居住しているとのこと。名前は記憶していないが、この日本人女性は少なくとも03年まで収容されていたそうだ。
朴議員は日本担当者父子の名前を公表しなかったが、日本政府が求めるならば、一連の情報とともに伝えるとのことである。
数少ない女性議員でもある朴議員は、1978年に梨花女子大卒後に韓国のMBCで23年間記者生活を送った後、一大変身し、ソウル大学大学院で法学を学び、博士号を取得し,大学の教壇に立った才女でもある
盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権下の2003−2007年に国務総理室行政審判委員会委員などを歴任。2008年に自由先進党から出馬し、比例区で当選し、現在同党スポークスマンを務めている。夫は最高裁判事である。
朴議員はこれまで脱北者問題のほか、独島(竹島)問題に熱心に取り組んでいる民族主義者で、実は本日(10日)、国会議員院会館内で北朝鮮民主化運動本部との共同主催し、脱北経済人から聞く「北朝鮮中産層」フォーラムを開催する。もしかすると、この場で新たに日本人拉致に関する詳細な情報が飛び出すかもしれない。
それにしても、この脱北男性はなぜ4年にわたって、この驚くべき情報を伏せていたのだろうか?
現在、前原誠司民主党政調会長が訪韓中である。18日には野田総理も訪韓し、李明博大統領と首脳会談を行う。
日本政府は韓国政府の協力のもと、性急にこの男性に直接会って、より詳細な情報を聞きだす必要性がある。