2004年12月27日(月)

呆れた北朝鮮の再調査結果

 日本人拉致被害者8人の安否に関する北朝鮮の再調査結果を精査した外務省の資料を読んだが、よくもまあ、こんないいかげんなものを出せるものだと、呆れ返った。肝心なことになると「当該機関の秘密事項であるので、答えられない」「遺骨は洪水で墓が流されてしまったので見つからない」「遺品や資料は当該機関が全部焼却、処分していまい存在しない」「拉致実行犯らは死亡してしまった」「昔のことでよく覚えていない」と、すべてがこんな調子で、途中で読むのを止めたくなった。馬鹿馬鹿しく思いながら最後まで読んでみたが、「これはすべて嘘」と実感した。

 ですから「北朝鮮に経済制裁をせよ」と、日本国民が怒るのは当然だ。北朝鮮の再調査結果の中で気になる点を上げるとすれば、青島から78年6月に拉致された田口八重子さんと80年6月に拉致された夫の原敕晃さんの入国地点が南浦でなく、海州と主張していることだ。また、78年8月に鹿児島の吹上浜から拉致された市川修一・増元るみこ夫妻の入国地点が海州とされていることだ。南浦ではなにかまずいことでもあるのかもしれない。

 ちなみに76年に香港から拉致された韓国の申相玉・崔銀姫映画監督夫妻は南浦に上陸している。

 もう一つは、4人ともそれぞれ別な場所で死亡したのに麟山郡に土葬された不自然さだ。特に、原さんが本当に695病院で、肝硬変で病死したならば、埋葬先は695病院の裏にある龍城のヨンブン墓地に埋葬されてしかるべきだ。とにもかくにも、偽遺骨でも明らかなように北朝鮮が「ルビコンの川」を渡ってしまったので金正日体制下での日朝国交正常化も経済協力も無理だろう。北朝鮮は完全に墓穴を掘った。

 それにしても、ばれることがわかって、北朝鮮はなんでこんないいかげんなものを捏造して出してきたのだろうか。

 その理由については@生存しているのを隠蔽したいからA他に死亡を証明する術がないからなど様々な憶測が流れている。一つはっきり言えることは、拉致問題を動かしても、核問題で米国と和解できない限り、日本からは国交正常化も、一銭の経済協力も得られないと読んでいることだ。