2010年4月7日(水)

韓国で「竹島」判決が出る

 韓国では「金正日訪中」よりも今日一日は、「独島(竹島)」で騒がしくなりそうだ。市民政治連合など20の市民団体に結集した市民ら1、866人が読売新聞を相手取り損害賠償と訂正報道を求めた集団訴訟の判決が今日午前10時、ソウル中央地裁であるからだ。

 韓国市民団体らによる「読売新聞提訴」の理由は、2008年7月に日本で開かれた日韓首脳会談で、当時の福田康夫総理が中学校新学習指導要領解説書に竹島を表記せざるを得ない日本の立場を説明したところ李明博大統領が「今は困る。待ってほしい」と要請したと、7月15日付で書いたことを「虚偽報道」と抗議し、訂正を求めたが、これに読売新聞が応じなかったことによる。

 市民団体は当初、青瓦台(大統領府)が読売新聞社に断固抗議し、訂正を求めるよう要請したが、政府が毅然たる対応を取らなかったことや、改めて李大統領の「親日」ぶりを浮かび上がらせることで世論の反政府批判を高められると判断して、読売新聞を訴えたようだ。

 原告側は「大統領が報道のような発言をしたはずがなく、読売新聞が独島を紛争地域化する意図で行ったとみる」とみているが、ソウル中央地裁はすでに先月17日に「報道内容は事実である」とする読売新聞社側の反論も聴取している。

 原告側は「青瓦台も読売の報道が誤報である」としていることを根拠に判決に自信を深めているが、仮に原告側の勝訴となれば、読売新聞の信用問題にかかわる。逆に敗訴となれば、逆に李大統領の立場が苦しくなる。原告側にとっては、どちらにしても、損はない訴訟である。間もなく、注目の判決が出る。