2008年7月1日(火)

危ぶまれる北京五輪の南北共同入場行進

 国際五輪委員会(IOC)が南北の五輪委員会に対して来月北京で開かれるオリンピックの開会及び閉会式に共同で入場するよう要請があったとの情報が入る。

 2000年のシドニー五輪で初めて実現した南北共同入場行進は、04年のアテネ五輪でも引き継がれたが、今回は実現が危ぶまれている。北朝鮮が韓国との政府間対話、交流を一切拒否しているからだ。

 韓国政府はチャンス到来とばかり、韓国五輪委員会(KOC)を通じて北朝鮮五輪委員会に共同入場行進のための会談を要請しているが、北朝鮮からは無しのつぶて。こうなれば、IOCか、北京五輪組織委員会を仲介役に立てるほかないが、北朝鮮が翻意しなけれ共同入場行進は絶たれることになる。

 北朝鮮が韓国との対話・交流を拒絶している理由は、2月に発足した李明博政権が過去の南北首脳会談での約束・合意事項を再考すると言ったことに反発したためだ。その結果、南北縦断鉄道を利用した南北共同応援団の北京入り及び五輪応援計画も凍結してしまった。同じく8月に金剛山で予定していた南北離散家族再会も実現の見込みが立ってない。

 南北関係が悪化したことに焦ったのか、あるいは米国に続き中国も北朝鮮に50万トンの食糧支援を決定したことに慌てたのか、李政権は何とか北朝鮮とのパイプを築こうと、「欲しいと言わない限り上げない」としていた食糧を今では「もらって欲しい」と半ば懇願しているというから情けない。支持率が20%まで落ち込むのも無理もない。