2008年6月9日(月)

面白いソウルでの南北W杯予選

 2010年ワールドカップ第3次アジア予選の同組(C組)の韓国と北朝鮮はそれぞれヨルダンとトルクメニスタンを破り、最終予選進出に大手をかけた。14日のトルクメニスタン戦、ヨルダン戦を引き分けても、勝ち点9で南北共に決勝進出が決まる。3位に付けているヨルダンが、最終戦のトルクメニスタンに勝っても、勝ち点8で及ばないからだ。

 韓国は敵地でトルクメニスタンと戦うが、初戦ではホームとはいえ、4−0で圧勝しているので、まず落とすようなことはなさそうだ。

 一方の北朝鮮も、アウエーでの初戦を1−0で勝っているヨルダンを相手に今度はホームでの対戦だけに断然有利だ。しかし、実力的には拮抗しているだけにもし取りこぼすようなことになれば、北朝鮮の最終予選進出は、皮肉なことに22日のソウルでの韓国との試合に持ち越されることになる。そうなれば、韓国の国歌、国旗が気に食わないからといってソウルでの試合をボイコットするわけにはいかない。まして、北朝鮮の女子チームが昨日、サッカー女子のアジアカップの決勝で中国を2−1で下し、優勝を果たしているだけに、1966年のロンドン大会で世界にその名を轟かせた男子としても、44年ぶりのワールドカップへの切符を逃したくはないだろう。

 仮に北朝鮮がヨルダンに負けた場合は、22日の南北戦は大変なことになる。
 ヨルダンが北朝鮮に勝てば、勝ち点7となり、2位の北朝鮮には1点差、現在1位の韓国がトルクメニスタンに引き分ければ2点差に縮まる。ヨルダンは最終戦のトルクメニスタンはアウエーでの初戦で勝っているし、また最終戦はホームでの試合だけに勝つ確率が極めて高い。そうなると勝ち点10となる。ということは、南北の試合の敗者が予選落ちとなる。また、引き分けだと、北朝鮮が脱落することになる。それだけに22日の南北の試合は、双方とも絶対に負けられない試合となる。

 また、韓国が仮にトルクメニスタンとの試合に勝って、北朝鮮戦を待たずに最終予選進出を決めた場合でも、南北の試合は興味津々だ。

 ホームでの試合だけに韓国がまさか手を抜くようなことはないと思うが、韓国国民もまたサポーターも心理的には「南北共にワールドカップへ」という気持ちでいるので、韓国選手の動きに微妙に影響するかもしれない。