2009年7月29日(水)
韓国がサッカーW杯誘致にまたもや南北共催案を持ち出す
昨日、韓国サッカー協会がW杯の釜山誘致に向けて南北共同開催をセールスポイントにしようとしているとの情報が舞い込んできた。
韓国は2018年と2022年のW杯の誘致に乗り出している。2018年は江原道の平昌で、2022年は韓国第二の都市、釜山で計画している。韓国以外に単独開催の英国とロシア、共同開催のスペインーポルトガルとオランダーベルギーの欧州勢、米国とメキシコの米州、それに日本、豪州、カタール、インドネシアのアジア勢が名乗りを挙げているが、2018年は欧州が誘致する可能性が極めて高く、韓国に可能性があるのは2022年。米国、メキシコ、豪州、カタール、そして日本の5か国が強力なライバルになるとみている。
南北共同開催は国際社会に朝鮮半島の平和定着をアピールする象徴的な意味があり、誘致にプラスに作用するとの考えから、共同開催あるいは分散開催を検討したようだが、名古屋に逆転勝利した1988年のソウル五輪の再現を狙っているようだ。柳の下に二匹目のドジョウということだが、果たしてうまくいくやら。
ソウル五輪も当初は、「分断国家での開催は、朝鮮半島の平和及び南北統一に寄与する」と、韓国は宣伝文句にしていたが、南北共催が実現しなかったことで結果は、南北融和・平和どころから、開催前年に大韓航空機爆破事件が起きるなど、南北対立を招く結果となった。北朝鮮が同意しない限り、「絵に描いた餅」である。
南北共催あるいは分散開催を検討している理由の一つに北朝鮮に10万人収容の金日成競技場と15万人収容可能な陵羅島競技場があることである。FIFAは主催国に12の競技場(予選リーグは4万人以上、準決勝は6万人以上、開会式及び決勝戦は8万人以上収容可能な競技場)を義務付けているが、韓国には2002年の日韓共催の際に建てた10の競技場があり、改修すれば、十分に使える。これに北朝鮮の二つの競技場を加えれば、開催国としての条件を満たすとの皮算用だ。
日本が誘致に乗り出したからといって、無理に手を上げることもないのに、やはりことサッカーでは日本に負けられないとのつまらない対抗心がそうさせているようだ。同じアジアとして日本に譲り、日本の誘致を側面支援するぐらいの心の余裕をもてないものだろうか。