ＷＢＣ日韓決戦は、期待したとおり、歴史に残る名勝負となった。そして、これまた予想したとおり、日本が接戦をものにし、優勝を手にした。やはり、日本だ。さすが、イチローだった。

　「弱いもの味方」の性分か、正直９回までは負けていた韓国を応援していたが、同点に追いつき延長にもつれこんでからは、今度は日本の応援に回った。抑えのダルビッシュが後１球で追いつかれわけだから、一転して「日本頑張れ！」に変わった。日本のプロ野球を幼年の頃から見てきた者としては当然だろう。

　イチローが決勝打を打った瞬間は、思わず「やった！」と歓声を上げた。そして試合終了と同時に今度は、韓国の監督、選手らを同情している自分に気づいた。これほど、気持ちが二転三転したことはかつてなかった。本当に素晴らしい試合だった。

　韓国は日本に阻まれ、優勝には手が届かなかったが、前回は４位に終わったので、準優勝は立派だ。これで次回は優勝という新たな目標もできた。日本の３連覇はないかもしれない。選手個々のレベルは、日本と同じ、あるいは上回っていた選手もいた。

　昨日、ＷＢＣは投手３人、指名打者１人、そしてベストナイン（ＷＢＣオールスター）を発表したが、韓国の選手は４人含まれ、優勝チームの日本よりも一人多かったことがそのことを証明している。

　投手では日本戦に３度先発した奉重根（ポン・ジュングン）、打者ではレフトの金賢洙（キム・ヒョンス）、一塁の金泰均（キム・テッキュン）、三塁の李机浩（リ・ボンホ）の３人が選ばれている。三番の金賢洙は打率３割９分３里、四番の金泰均は打率３割４分５里、本塁打３本、六番の李机浩も打率４割、本塁打３本と活躍したのだから当然だろう。金泰均はキューバのセペタ外野手と並んで万票だった。ちなみに日本選手では投手では今大会ＭＶＰの松坂と韓国を押さえた岩隈の２人と、青木外野手が選出されていたが、これも当然だろう。